笑顔・言葉かけ

歌の大切さ

笑顔と言葉かけ

そして歌で「奇跡」が

 病室の中ですから横を向いても上を向いても真っ白で、目に留まるのは長年のシミや汚れなど。

 それで行動を起こしたのが、病室に入って関わる時は今まで以上に笑顔で話し掛けたり、時には歌いながら、時には身近な話しをしながらと身体に関わる事を数年間続けていた時に奇跡が!!

 

 それはもうびっくりなことで!!

 ある夜勤の朝方(外は薄暗く消灯台の灯りをつける)あいさつを交わし温かいタオルで顔を拭いていた時に、突然とても低い声で音程のないゆっくりな棒読みで「ぽーぽーぽーはとぽーぽー」(大湊注:鳩ぽっぽ)と唇が動き声が。

 血の気が引くとはこの事か、頭の先から足の先までサーと。すぐにナースコールを。駆け寄ったスタッフはびっくり仰天でした。

 

 それもそのはず、この方は25年間声を発声する事は一度もなかったんです。

 どんなに辛い処置をしても…

 家族さんに伝えたら涙を流しながら「母さん話して 声を聞かせて」と呼び掛けるのですが軽くうなずくだけで声は出すことなかったのです。

 それから病室にラジオをかける習慣を。全員ではないが反応するようになった事実がありました。

大湊:記

本協会では「無知の姿勢」を大切にしています。

「無知の姿勢(アプローチ)」

 此処で言う「無知」とは一般的に言われる、知らないこと・知識がないこと・おろかなことではなく、この人はこういう人であるという先入観、また常識的にはこうであるべきだなどという考えをなくし、自由な発想・精神で接する姿勢のことを言います。

 

 池下さんは無知のアプローチを実践し「話せないということは、聞こえていない」「脳の聴覚系や言語野などに障害がある」「言葉をかけても、理解出来ない」などの先入観を持たずに、笑顔で話しかけたり、歌ったりしながら介護を続けていたと思います。

 我々も、鼻歌など歌っている人をみると「何か良いことがあった?」「楽しそうだ」、そしてその姿を見ているうちに、こちらも楽しくなってきてしまいます。

 

 おそらく上記の女性、池下さんのそのような姿を見て聞いているうちに、心楽しくなり思わず声が出たのかも知れません。

 

 私は1度、言葉でのコミュニケーションがとれない子への音楽療法ビデオを拝見したことがあります。いろいろな楽器を使ってセラピストはその子とコミュニケーションをとっていましたが、言葉がないのです。どちらも無言なのです。楽器の音だけなのです。

 もの凄く違和感を感じました。

 言葉でのコミュニケーションがとれなくても、反応がなくても、セラピストは言葉をかけるべきと思っています。

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